推しが現世に転生してきたのですが

作者Y

演劇サークルに所属する大学生・神沼藍は、中学生の頃からバトル漫画の敵キャラ・吉良志之介に本気で恋をし、推しを追いかける至高の生活を謳歌していた。しかし連載6年目にして、志之介はバトル死してしまう。あまりのショックに立ち直れない藍は、新入生歓迎会での公演のクライマックスで堪えきれず大泣きしてしまう。…


 演劇サークルに所属する大学生・神沼藍は、中学生の頃からバトル漫画の敵キャラ・吉良志之介に本気で恋をし、推しを追いかける至高の生活を謳歌していた。しかし連載6年目にして、志之介はバトル死してしまう。あまりのショックに立ち直れない藍は、新入生歓迎会での公演のクライマックスで堪えきれず大泣きしてしまう。公演後、屋上に逃げて憔悴していた藍の目の前に現れたのは、バトル漫画で死んだはずの吉良志之介と全く同じ顔をした青年・瀬河だった。彼の存在によって、以前の自分らしさを取り戻していく藍。そんな藍の姿に惹かれていく瀬河だが、彼女との距離が近づくにつれ、自分が漫画の世界の人間・吉良志之介と同一人物であることを悟っていく。瀬河の疑問が確信に変わるにつれ、解れが出始める世界。突如生じる交通事故、異能力の制御不能。次元を超えた恋愛が、次元を超えた事件や災害を引き起こしていく。自身の存在が地球に危害を加えていることに気が付いた瀬河(のちの志之介)は、ある決意をする。それは、自分自身がもう一度死ぬことで二次元の世界に戻るというものだった。だが、二度の推しの死を受け入れられない藍は、志之介に「心中転生」を提案する。