アビシニアンと狡猾狐

作者篠原 皐月

 大好きだった祖母の臨終の折に顔を見せなかった叔母に憤慨し、罵倒して追い払った幸恵。その時の自分の行為を反省しつつも、意地を張りつつ謝罪もせずに二十数年。ようやく謝罪と和解を経て胸のしこりが取れたと思いきや、それから彼女はその時のツケを纏めて払う羽目に陥る。狙いを付けてきた掴み所の無い男に、このま…