メタルハート 1
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第1話
【メタルハート 1話 ギルド】
とある村にあるギルド。その橋のテーブルに一人の女が座っていた。
水色の髪を後ろに引っ張り結ぶポニーテールであり、銀色の鎧を着ている。年齢は20前後だろう。
そんな女性の前に荒くれ者の冒険者達が寄ってきた。顔が赤いことから酔っているのだろう。
ギルドでは酒類の提供はしていないため、外で飲んでここに来たという形だろうか。
「おい、姉ちゃん、人で何してるのぉ?」
酔っ払いは女性の肩に手を乗せようとする。しかし、突然横から現れた男がそれを止めた。
「何してる?」
「あぁ?」
黒髪に前髪が長く、左目が隠れている男。身長は男達より一回り大きく、体つきもかなり良い。
男を見上げる形になった酔っ払い達は男にビビり、そそくさと逃げていった。
「ロウ。遅かったじゃない」
黒髪の男に女性は話しかけた。
「アイサが早いんだぞ。これでも早めにきた方だ」
「遅刻してるやつが何言ってんだか……」
アイサはやれやれと首を振る。
「それでもう依頼は決めたのか?」
ロウはアイサの向かいの椅子に座る。
「えぇ、もう決めた」
アイサはそう言うと紙を取り出して見せる。
「今日はこれをやるよ!!」
[ゴブリンの討伐]
5金貨
森に住み着いたゴブリンの群れを討伐
「ゴブリンか」
「ま、これくらいが今の私たちにはちょうど良いんじゃないかしら…………」
アイサはロウの耳元に口を近づけて、小声で言う。
「私たちは冒険者なんだし……」
二人は装備を整えると、ギルドを出て依頼を受けにいった。
向かうは村の西側にある森。そこにゴブリンの群れが住み着いていると言う。
モンスターとは魔素を媒体に、集合して出来上がった物体であり、生物ではない。
しかし、近くにいる動物の遺伝子を元に形を生成するため、その土地に適したモンスターが現れる。
ゴブリンやオークは人間が住む土地に現れやすく。狼がいる地域には狼のようなモンスター、熊のいる地域には熊のようなモンスターが生息している。
モンスターは魔力を持つ生物を襲う傾向があり、人間や動物はその標的になりやすい。
そのため多くの動物達は工夫をして、モンスターから身を守りながら生息している。
今回の討伐以来のゴブリンは森に住み着いた。その森には彼らにとって餌となる動物が生息しているということなのかもしれない。
そうなると、ゴブリンだけではなく。別のモンスターの危険性も出てくる。人間だけではなく、他の動物も襲われている可能性があり、その動物を元に誕生したモンスターがいるかもしれないからだ。
続く。
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今回のように不定期で特定の人物に注目したエピソードが投稿されることもあるかもです。
続きの場合はタイトルが同じものが使われる予定です。