忘れさせ屋のドロップス

作者

ある理由から、逃げ出すように家出した鈴木有桜。何処にも行く宛もなく、偶然たどり着いたのが、佐藤遥が店主の『忘れさせ屋』だった。
遥は、お金と引き換えに不思議なドロップスで『忘れたいこと』を『忘れさせる』ことが出来るという。

やがて遥への淡い恋心に気づく有桜だったが、心に闇を抱えた有桜と同じく心に…


カロン、コロン……。


 私は貴方に出会って、生まれて初めて恋の味を知った。



 どんなに忘れたくても『忘れられない』それは魔法のドロップス



 彼が話すたび、軽やかな耳馴染みの良い音といつも甘い匂いがする。


 そのドロップスは甘くて切なくてクセになる淡い恋と同じ味。その淡い恋に似た味を、苦しくて、私は何度も『忘れてしまいそう』になるの。



 ーーーー全て『忘れてしまう』その前に。早く私を抱きしめて。