廻り廻って愛になる

作者東 やよい

どうしていつも私の道は「正解」じゃないんだろうか。
あの時違う選択をしていたら、未来は変わっていたはずなのに。

怖い、また選択を間違えたら…?

それでも、信じるほか選択肢は残されていない。


私の指先は震えていたが、彼の差し出した手をしっかりと握りしめた。



軽度の性描写がありますが、あ…

私はこの人の手をとってもいいのだろうか。

もしまた間違えたら?失敗して取り返しのつかないことになったら?


それでもーー今はただの「私」でいるわけではない。なぜなら正しくは「私たち」だから。


この子にとっての最善の道は何なのか少し考えれば分かることだ。



私はゆっくりと躊躇いながらも彼に向かって手を差し出す。



「…ありがとう。後悔はさせない」



彼はほんのちょっと震える指先に力を込めながらしっかりと前を見据えて頷いた。