ダンジョンのある世界、最高。

作者リトル・ウィッチ

世界に無数に現れたダンジョン。止まるライフライン。大昔に逆戻り?後にダンジョン1世代と呼ばれることになる人類のごく一部の物語。

あなたの家の前にダンジョンができたら、どうする?




ライフラインが止まる前、政府は絶対にダンジョンに入らないようにと注意喚起を出した。




「でもさ。電気も水もない。スーパーでは暴動。こんな状況にしてくれたダンジョンに突撃したくもなるだろ。どうにでもなれって。」




「空…ほんとに行くの?」





双子の妹が心配そうに俺のシャツを握る。




家の前にできた洞窟、つまりはダンジョンの前で、俺は家から包丁を持ってきた。





「行く。これが本当にダンジョンなら物語の中ではモンスターは食べ物になる。どのみちこのままじゃ、母さんが死ぬ。」





女手一つで、自分と双子の妹、さらに弟と妹が一人ずつ育ててくれた。




そんな母さんが、この最悪の状況で熱を出し、床にふしている。





食糧もろくにないのに、子供を優先するからだ。





「〜っ、なら空、私も連れてって。」




双子の妹ーー美月は家にある果物包丁を持ってきていたようだ。




「…何出るかわからんぞ。」





「一人より、二人の方がいいでしょ!」





これは

ダンジョン1世代と呼ばれ、第一戦で活躍することになる双子の話。