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「はいこれ、」
「あぁ、今日もありがとう。いつもごめんな」
「ううん、いいの。あなたの事が好きだから」
「ありがとう」
「…ねぇ、あなたは、」
「あ、ごめんな。もう行かなくちゃ。また、今度な」
「…うん、分かった」
暗い車の中から追い出されるように制服のスカートを揺らしながら出て来た私。
ああ、何で。なんでこの人なんだろう。そんな事何度も思った。
あの薬指に光る指輪を見る度に。何をしてるんだって思ってる。
学校終わり、できる限りのバイトを入れ続けてその半分以上のお金をあの人に渡して。
ほんと馬鹿みたいって思ってる。
知ってる。あの人が、私に応えてくれない事くらい。
ましてやあの薬指から指輪が外される事なんてない事くらい。
「…馬鹿だなぁ、私」
でも、私にはあの人だけなんだ。
⚠︎こちらはコンテストの為のプロローグのみの作品になります。