高校二年の夏休み、学校の図書室に来ていた加瀬洸太郎は、自身を未来人だと名乗る男と出会う。
男は加瀬のことを大切そうに抱きしめ、愛するひとを救うために協力してほしいのだと話を切り出した。
加瀬は気づく、その男の身体から心臓の鼓動がしないこと、自身が密かに憧れとしている同級生”音琴洸”にどこか似ている…

高校二年の夏休み、学校の図書室に来ていた加瀬洸太郎は、自身を未来人だと名乗る男と出会う。

男は加瀬のことを大切そうに抱きしめ、愛するひとを救うために協力してほしいのだと話を切り出した。加瀬は気づく、その男の身体から心臓の鼓動がしないこと、自身が密かに憧れとしている同級生”音琴洸”にどこか似ていること。男は未来の加瀬が生み出したアンドロイドであった。

未来では、植物状態となった患者の第二の人生として、脳の情報を抜き出しアンドロイドに移植する"オルフェウスシステム"が導入されはじめ、加瀬はその施術を行う技師として働いている。一方、音琴は高校二年の夏休み水難事故にあい、それから植物状態になっていた。

加瀬は音琴の両親にオルフェウスシステムを薦め、音琴を目覚めさせることに成功。しかし、音琴を待っていたのは両親の急死と自分だけ取り残された10年後の世界であった。

加瀬の献身的な支えもあり次第に心を開いてゆく音琴であったが、心の拠り所となった加瀬もまた音琴の前から姿を消してしまう。

悲しみに暮れる音琴は、加瀬が密かに研究していたタイムスリップに関する資料を頼りに、過去へ戻りやり直そうと動き始める。