この手を透かして君を見れば

作者水縹すい

「私の失くした色を、一緒に探してくれませんか?」
 何もかもが上手くいかず、見た目のせいで生きづらさを感じていた僕は、ある夏の日、信号無視をして轢かれそうになっていた少女を助けた。彼女にとって、僕は透明人間。彼女の世界には色が無いからだ。
「『幸せ』というものがどんなものなのか、忘れちゃったの。ず…

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