出会いは、日向が十二歳、沙耶が四歳の時だった。
「寂しいなら、呼べばいい。隣にいるんだから」
そう言ってくれた日向は、いつでも沙耶の心の拠り所だった。
けれど、八つの歳の差は、七歳の沙耶の心を打ち砕く。そして起こした、狂言誘拐事件。
沙耶のクラスメイトの奏。体と心の性別が違う奏の秘密を知った沙耶は…

十二歳のあなたと、四歳の私。


十五歳のあなたと、七歳の私。


二三歳のあなたと、十五歳の私。


二五歳のあなたと、十七歳の私。


二八歳のあなたと、二十歳の私。



そして。


三二歳のあなたと、二四歳の私。




あなたと私の、二十年。