傍へで果報はまどろんで─真白の忌み仔とやさしい夜の住人たち─

作者和崎藤丸

「ああそうだ、——死んでしまえばいい」

 時は江戸。
 開国の音高く世が騒乱に巻き込まれる少し前。
 その異貌の仔どもは生まれてしまった。
 老者のような白髪に、空を溶かしこんだ蒼の瞳。
 バケモノと謗られ傷つけられて。
 果ては誰にも顧みられず、幽閉されて独り育った。

 願ったさいわいへの道…