イヤフォンと、小説と、サカモト君。

作者三田るな

就職活動にてこずる璃々は、横浜のファミレスや図書館でESを書き直す日々を送っていた。そんな地元の街で、数年前から見かけていた青年、サカモト君に出会う。彼はいつのまにか髪を明るく染め、どこにも染まらない存在感を放っていた。逃れられない過去のコンプレックス、社会への葛藤、彼への思いを抱えて、璃々は小さ…


ねえ、サカモト君


就活の時に面接官に聞かれたの


「あなたはどんな人ですか」だって


「陽キャ」か「陰キャ」

「勝ち組」か「負け組」

「男」か「女」


言葉を当てはめないといけないのかなって


いじめ、スクールカースト、マウンティング


この世は理不尽で不明瞭なことばかり


貴方はどんな世界で生きてきたの?



ねえ、サカモト君



今何してる?