もし、運命の番になれたのなら。

作者天井つむぎ

十八の誕生日、恋人だった守谷奏斗(‪α‬)に振られ、失声症になった遊佐水樹(Ω)。いつかまた彼と会えることを信じて四度目の春を迎えると、守谷彼方という転校生が現れた。
顔は奏斗と瓜二つ。しかし筆談での返答を待ってくれたり、自分の代わりに怒ってくれたりと、奏斗にはされなかった優しさや愛をたくさんもら…

十八の誕生日、恋人だった守谷奏斗(‪α‬)に振られ、失声症になった遊佐水樹(Ω)。いつかまた彼と会えることを信じて四度目の春を迎えると、守谷彼方という転校生が現れた。

顔は奏斗と瓜二つ。しかし筆記での返答を待ってくれたり、自分の代わりに怒ってくれたりと、奏斗にはされなかった優しさや愛をたくさんもらう。別れて一年が経つ誕生日には生まれてきたことを笑顔で祝ってくれた。幸せを噛み締める水樹であったが、不安定な本能がアルファを求め、バース性がわからないにも関わらず彼方をそういう目で見てしまうことに。

そんなある日、水樹は奏斗と対面してしまう。襲われても本能から拒めなかったが、頭に浮かぶのは彼方だった。絶望的な状況から彼方に救われ、守谷二人が兄弟であることが判明する。

戻った声を必死に震わせ、水樹は彼方に礼と好意を伝える。二人は恋人として結ばれるが、太陽のような彼方には記憶喪失とバース性の揺らぎの問題が隠されていた。お互いに未来や過去に翻弄され、すれ違いで心の距離が離れそうにもなった。

運命の番になる夢を叶えるため、二人はある決断を出す。数年後の誕生日、アルファはオメガと番になりに帰ってきた。