独身ですが、夫の名前はもう決まってます

作者白崎 杏

ストーリー概要および物語の設定


地方都市に暮らす27歳の会社員角野凛は、最近同棲していた彼氏と別れたばかり。友人の結婚式以来、凛は夢に出てくる「マツダ」という名前を意識し始める。見た目や声、趣味や仕事でこれまで彼氏を選んできたが、結局うまくいかなかった。ひょっとすると名前こそが正解だったのか、と思った凛は、登録したマッチングアプリで「マツダさん」とやり取りを始める。


実際に会った松田さんは、年上で大人の余裕がある紳士だった。営業をしている彼は社交性が高く多趣味で、色々な所へと連れ出してくれる。そして何より名前が「マツダ」だ。凛は何度かデートを重ねるうちに、次に付き合うならこの人かもしれない、と漠然と考え始める。


友人の南条茜と訪れた飲食店で、凛は幼馴染の吉岡良平と再会する。彼は数店舗を経営する料理人兼オーナーだった。学生時代から変わらず優しい良平に安心感を覚える彼女。そんな折、松田さんから「お付き合いしませんか」との話が出る。


凛の勤めるゲーム会社では、有名クリエーター末田蓮とのコラボ商品開発が進んでいた。会社で彼を案内した凛はなぜか蓮に気に入られ、仕事以外でも顔を合わせるように。


松田さん、良平、蓮。3人との関係性で揺れ動く凛。仕事での出張などで会えない日々が続く中、次第に自分の思いを確信していく。

出会いからこれまでを回想しながら、凛は大切な彼の元へと走っていく。