藤村葵は生け花「尾上」の家元の双子姉。「双子は一族に禍をもたらす」という戒めにより葵は華道家の親戚と離島で育つが養父の死去、本家に戻され虐げられて育つ。
父である家元の尾上浩一は新進気鋭の若手華道家、龍崎天樹と資本提携を結ぶため、双子妹の百合子との結婚を勧めるが、これを疑う龍崎はまず仕事を手伝う人…

「おい、奥に何かあるぞ」

「慎重にな。これは、隠し扉か……おい、教授を呼んでこい」


重要文化財の古寺。暗いお堂の奥座敷。考古学の博士は扉の向こうから木箱を慎重に取り出した。


「何て書いてありますか」

「……待て。埃が……ええと『銀流草華』の」


古の神器はこうして現世に、静かに姿を現したのだった。



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本作品は、2022年魔法のiらんど大賞コミックへ応募作品です。