『妖力者』と呼ばれる妖かしを浄化する使命をもつ『天力者』の姫セリ。幼なじみで守護役の紫己に守られのんびり暮らしてきたのに、恋をした途端「子孫を残して血を繋げ」と閨閥結婚を命じられた。更には妖かしの長に「オレの子を産め」と体を狙われて……。溺愛と狂愛の嵐の中で運命を切り開く恋愛現代ファンタジー。

▶ストーリー概要および物語の設定



未練を残した霊魂が人間という器に納まって、新たな生物体となった存在、妖力者ようりょくしゃ

人の精神や肉体を喰らって生きながらえる人ならざるソレを、古来より浄化する役目を担っている一族がいる。

対抗できる唯一の存在、天力者てんりょくしゃ


千年ぶりの『天力者の姫』宮芹七みやせりなは、幼なじみで守護役の天海紫己あまみしきに守られ、ここまでのんびりと過ごしてきた。

能力はあるくせに浄化の仕事を面倒くさがり、可愛いものと甘いもの、近頃は紫己の友人である月島蒼つきしまそうに夢中。


ある時、天主である厳格な父親から「子孫を残して血を繋げ」と、閨閥結婚を強いられる。

育ちつつある蒼との恋を隠しながら、紫己にその結婚を阻止するよう頼むが、それをきっかけに兄のように慕ってきた彼との穏やかな関係は崩れてしまう。恋の三角関係の始まり。


一方で、芹七に近づいてくる別の男がいた。名は朱理しゅり

彼はどうやら、天力者の宿敵である妖力者の長『崇峻すいしゅん』と関係しているよう。

そして彼らもまた、芹七との婚姻を強く望んできて……。


結婚相手も未来も、自分で決める! 

その為に何が必要か気づいた芹七は自分を改め、天力者の姫として決断する。