紅燕楼 〜私がヒーローをやめるまで〜

作者うぎょー

街のヒーロー紅燕楼として戦うアザミ。愛を知らずに鬱屈とした日々を送る中、ひょんなことから宿敵・ジャノメを自宅に拘束する。
ジャノメから情報を聞き出そうとするアザミだったが、彼に誘惑されてしまい───

▶ストーリー概要および物語の設定


 現代より遥か未来。異能を持ち生まれた「妖し児(あやしご)」の遺骸が変質した、「永血石」を資源に発達した自治区キョウゴクシティ。神道の建築文化を根強く残したこの街の住人は妖し児のテンジキによって生活を脅かされていた。

 

 愛を知らずに育った妖し児のアザミは当局の管理の下、街のヒーロー「紅燕楼(コウエンロウ)」として戦い市民を守っていた。

 ある日勤めているオフィスに向かうと、そこに一人の男性社員が異動してきたことを知る。優しい彼に惹かれるアザミだったが、その正体はテンジキの手下であり宿敵のジャノメだった。ひょんなことから互いに正体がバレてしまい、どういう訳かアザミは彼を自宅に拘束する。そこで待っていたのはジャノメからの誘惑の嵐だった。

彼の誘惑に抗うアザミ。しかし奇妙な同居生活を経て二人は惹かれ合ってゆく。

 

ある日アザミは当局の自分に対する思惑を知り、激しく狼狽する。ジャノメは精神的に疲弊したアザミを郊外に連れ出し、ヒーローを止めるように諭す。しかしテンジキの野望により街は火の海に包まれようとしていることを知ったアザミは再び戦いに身を置くことを決意するのだった。