恋の仕方を忘れてしまった私たちへ

作者除菌小僧

『一夏の恋』なんてもの、私には関係ないと思っていた。

そう。あの日、あの場所であなたに出会うまでは。。。

「花火大会に行きませんか?」ただそれだけを何度も文章を消しては、打ち直す。送信ボタンに伸ばした指が震え、やけにスマホが重く感じる。

そんなピュアな恋をしていた学生時代を経て私も大人になっ…

遠慮を知らない日差しがジリジリと2人を照らす

少し汗ばんだお気に入りのTシャツが今でもふとあの日を思い出させる。


「花火大会に行きませんか?」ただそれだけを何度も文章を消しては、打ち直す。

送信ボタンに伸ばした指が震え、やけにスマホが重く感じる。


そんなピュアな恋をしていた学生時代を経て私も大人になった。


大人になった私は『恋なんてもう良いかな』

と気づけばフリーでいることに慣れてしまっていた。


趣味やご飯にお金を使い、自分のために時間を使う日々。

そんな日々が楽しくもあり、同時にどこか人肌が恋しくもあった。



『一夏の恋』なんてものは私には関係ないと思っていた。


そう。あの日、あの場所であなたに出会うまでは。。。