雪花は大学一年生の春、「桜の妖精」らみたいな桜介と出会う。好きだと思いながらも、他に好きな人がいる桜介に想いを告げられない。ひょんなきっかけで恋人として過ごすようになるが、別れを唐突に告げられた。

 現実と残像が交差して、頭が痛むなかで、見つけた二人の想いとは。

「私は泣くようなタイプだよ」


好きだから、明るく偽っていたのに。


「泣かないと思った」


なんて残酷な言葉を君は口にする。


出会ったことが、恋に落ちたことが、付き合ったことが、


間違いだと思いたくない。


去っていく君の後ろ姿を引き留められない自分が恨めしい。


リアルな夢みたいで、夢だったらよかったのにな。