高校生のみちるはいじめられていた。
日に日にエスカレートするいじめに対して、心が傷付かないように無意識に身体が防衛する。
いま何が起きているのか、誰が何を言っているのか、自分が何をされているのか──感覚が鈍くなったみちるの耳に、届いた声がひとつだけあった。
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気が付くと何も考えられなくなっていた。
視界はいつもぼんやりしていて
誰の声もはっきり届かなくて
嵐が過ぎ去るのを待つように
身を縮めて頭を抱えて過ごす。
海の底みたいな世界の中で
わたしは生きていた。
【みちると呼ばれたわたしの夏】
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【みうらみちると俺の夏】