高校二年生の夏。同級生に告白された。地味で大人しいけれど、春の陽気のように柔らかく笑う人だった。
林檎のように色づいた顔に黒髪が張り付いて思春期真っ只中だった自分は、はっきりとした言葉も伝えられず、曖昧なまま。
どこからともなく告白の噂が校内を駆け巡り、木々が赤く色づく頃には彼女の姿を校内で見るこ…

好きってなんだろう。

世の中には恋愛が溢れていて、それが正義かのようでさえあるのに、一方でひどく排他的・攻撃的な面さえある。


好きって、どうなったらそう定義して良いのだろう?

これは普通で、これは違うって、誰が決めてるんだろう?


多感な高校時代の記憶が、大人になっても甘く、苦く顔を出す。