そんなお前が好きだった

作者月夜の猫

四年後の今日、大銀杏の下で会いましょう。初恋の相手とのそんな約束はとうに流れ、時も流れた。ピアノ演奏でヨーロッパをドサ回りして疲弊していた和田響は、家族で唯一自分の味方だった祖父の死をきっかけに10年ぶりで実家に戻る。恩師に頼まれて母校の音楽講師となり、必然的に音楽部の顧問となった響は、高校生たち…

四年後の今日、大銀杏の下で会いましょう。初恋の相手とのそんな約束はとうに流れ、時も流れた。