私には、大切な大切な婚約者がいた。
彼は私より8歳年下の、少年だった。
国同士の戦いに巻き込まれて、
離れ離れになってしまったけれど。
人質になった私と、
多分、どこかで平和に暮らしている彼。
ただ弟のように思っていたけれど、
大切だったから……どうか、どうか
これからも、幸せでいて。
私たちが再会することは、
もうないはずだった———