幼い頃から、大切に持っている本がある。
心優しい村娘と自由気ままな王子様の
悲しく、切ない
バッドエンドのシンデレラストーリー
だけど、私にとってそのお話は、
バッドエンドなんかじゃなかったの。
―――あの日、彼に出会って、
あの苦しみを、知るまでは―――。
"自称"前世王子様
自由奔放なワガママ男子
×
平凡に相応に生きたい
みんなに優しい控えめ女子
「運命だと思うんだ」
「やっと見つけたんだ、絶対に離さない」
「生まれた時から探していた気がするんだ」
やめて。
お願いだから、私に、
幸せを教えないで――――。