御調円果(みつぎ まどか)は、幼馴染の九条弥(くじょう あまね)を推し、貢ぎ始めて早10年。

 高校に入学しても2人の関係は変わらないーーーーはずが。

「推しは1人に絞るものじゃなくて、増やすものじゃん?」

「じゃあ、1億円を、合図にしよう」

「推しをお金で買って好きにできるってこと⁉︎…

 目覚まし時計を止めて起きると、すぐ側に作られた推しの祭壇の前に座って両手を合わせる。


「おはよう、弥くん。今日も弥くんにとって素敵な1日になりますように」