夏日。入道雲。蝉の声。私が出会ったのは、SSRの魔法使いでした。

作者浅倉あける

ガチャポンを引くのが好きな葵は、ある日、落とした百円玉を追いかけた先で真っ黒なガチャポンの自動販売機を見つける。
好奇心に負けて引いた黒いカプセルから出てきたのは――魔法使いを名乗る少年だった。

「ソシャゲで言えばSSRだよ、僕は」
「随分と現代に精通している魔法使いだな……」

 私はきっと、あの夏の日を忘れることはないのだろう。