異業種交流会という名の合コンに参加した女の子のお話。
遊は公佳の手に自分の手を重ねると、指をからめながら軽くにぎってくる。
「ね、君の焼いた目玉焼きが食べたいな」
「ふふ、なにそれ」
お誘いの言葉としてはチープ過ぎる。
けれど笑ってしまったので公佳の負けだ。
公佳は遊の手を軽く握り返した。
「いいよ」
「……じゃあ、このあと抜け出そっか」
公佳はわかったと伝えるように、遊の手をキュッと握り返した。