「人の記憶には必ず五感がついてくる。」
人の要望に応じて香りを配合し、それで人々に快楽を提供する仕事をしている主人公、結城。しかし人の貪欲さが嫌で仕方がなかった。
6月、大学時代好きだった先輩が来店した。山瀬とはある出来事で罪の意識を持ち、今まで忘れていたが再び記憶を強く思い出すこととなり、動揺す…

「人の記憶には必ず五感がついてくる。特に香りを感じる嗅覚だけが、人の記憶を司る脳の海馬にほぼ直接的にシグナルを送ることができるそうだ。」