彼女はバジルの香り

作者羽多 奈緒

寒い地方の公立大学の国文のゼミで僕は彼女に出会った。
まるで大学に似つかわしくない金髪に、赤いタータンチェックのミニスカート、厚底靴。ろくに大学にも来ない彼女には色々悪い噂があるけど、僕は知っている。それらは殆ど嘘だって。