「ベテルギウスって、悲しかったのじゃないかしら」つぶやく菜摘は、太陽のような穏やかな愛にあこがれている。寿命100億年の小さな太陽。一方、わずか寿命1000万年の超新星ベテルギウス。願いとは裏腹に、運命は菜摘を波乱万丈なベテルギウスの悲恋へといざなう。ミュージカルスターに恋した菜摘は、しだいに狂気…

愛は狂気か⁈ 巨星ゆえに短命なベテルギウスの悲恋。その末路は、超新星爆発を起こして身近な存在をこっぱみじんにする。はるか彼方の地球さえ数カ月、満月のような輝きで照らし出されるほどだ。宇宙中に存在を知らしめる華々しい最期に、ベテルギウスの涙が見えないか⁈ 太く短く燃えさかる愛。その悲しみは、ベテルギウスの成れの果て中性子星=宇宙の灯台パルサーのごとき存在に行きつくだろう。