ある日、凪子の恋人が負傷して帰宅。恋人は思いきって告白する。満月の夜の他は人間の姿をしているが、自分の正体は黒猫なのだと。傷は魔法猫チェシャーキャットにかまれたもの。以来、人間でいられる時間が短くなっていき、ただの黒猫に。代わりに、不死身となった黒猫は、凪子が生涯を終えるまで寄りそい続ける。そして…

満月の夜、開かずの扉の向こうで恋人が黒猫だったら……。そう。凪子の恋人は、黒猫の化身シャノアール。凪子がパソコンに向かうと、バックハグして邪魔する。キーボードの上にねそべる猫よりたちが悪い。甘えてすり寄る猫の誘惑。人はみな仕事を投げだし猫とじゃれあう。猫より抗いがたい恋人の誘惑。凪子もパソコンのシャットアウトもせず、甘美なラブシーン。ふたりの愛は、恋人がただの黒猫となっても続く。時を超えた純愛ラブストーリー。