つかめない淡花とれない写真

　写真撮影が趣味の巽水圭介（高校生）は、最近遅刻をしてばかりだった。学校付近の公園にある桜の木に夢中になり、撮影に明け暮れていたからだ。友人に苦言を呈されたものの、圭介は桜の元に通い続けていた。
　そんなある日。公園の桜の木を撮影していると、少女さくらが忽然と現れる。哀愁と洗礼された美を持つ少女の…