人魚の骨を探して

作者棘町るる

失語症の満(みちる)は、夏休みに母の実家の田舎町を訪れた際、青い波を制覇するように乗りこなす遥(はるか)と出会う。
「お前ってさ、自分のこと何にも知らなくていいと思ってんだな。」
悪びれもなくそう言う彼に満は強烈な反発を覚えながら、しかし次第に二人は距離を縮めていく・・・






―――人魚のお姫さまは、そのものたちと同じように、自分のからだも軽くなって、あわの中からぬけ出て、だんだん上へ上へとのぼっていくのを感じました。

「どなたのところへ行くのでしょうか?」と、お姫さまはたずねました。―――


人魚の姫

ハンス・クリスチャン・アンデルセン