児童カウンセラー/ケビン=フォード シリーズ「子連れのウルフ」【完】 

作者娯らっく

児童カウンセラーのケビンが大活躍! 今回はとある強盗の物語。美しい妻と妻を失った野獣強盗。はてさて一体どんな物語なのか?

ええ、そうなんですよ。夫の方はがたいが大きく、顔もかなりの強面(こわもて)でね、どうしてあんな野獣…いや、失敬、あんな男にあんな綺麗な嫁さんが来たのか? って村中みんなで首を傾げてましたよ。




でもね、あの嫁さんは、本当に綺麗で、女神か天の使いかというくらいの透けるような美しさで、朗らかで、気だてもよくって。わしらも彼女の醸し出す空気に触れるだけで、本当に心が洗われるような気持ちになるんですワ。




でも、あの野獣…いや、失敬。あんな男でも、わしらとやっぱり同じなのか、あの綺麗な嫁さんと接していると、あの強面の目尻がこう…思いっきり下がってね。そう、不思議なくらい優しい目に成るんですワ。




本当に幸せな夫婦の様でしたよ、羨ましいくらい。見た目は美女と野獣と言った感じだったがね。






児童カウンセラー ケビン=フォード①




「子連れのウルフ」