彼の愛に、堕ちて、溺れて。〜再会した幼馴染みの愛は、深くて重い〜

作者ナツメグ

慕ってくれていた幼馴染みの可愛い男の子は、、、

冷めた瞳をし、牙を剥く獰猛な獣へと、

変わってしまっていた。

そんな彼の深い愛に、

いつしか私は堕ちて、溺れていく……。

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高井戸 翅(23)
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相楽 …

 一瞬、これは夢なんじゃないかって、思った。


 いや、思いたかったのかもしれない。



「5000万、きっちり支払って貰う」



 だって、


 5000万円だよ?


 そんなお金、どこにあるの?


 普通の人間が、すぐに返せる額じゃないし、


 そもそも、こんな借金を残して消えた彼は、何処へ行ったの?


 男運の無さもここまで来ると、正直笑えない。


「……私、そんな大金……持ってません」


 こんな事を言って逃れられるなんて思ってないけど、でも、同じ人間なら、勝手に連帯保証人にされて困っている人間に、


 少しくらいは同情してくれてもいいじゃない?


 しかも彼は、久しぶりに再会した幼馴染みなのだから。


 だけど……、


 彼はもはや、私の知ってる彼じゃない。



「だから何だよ? 見逃してくれとでも言うのか? 甘いよ、お前。俺は昔馴染みだからって、情けを掛けたりはしねぇんだよ」


 あの頃の面影なんて、一つもない。


「来いよ、返せないなら、身体で払うしかねぇだろ?」


 この人は、


 人の皮を被った――悪魔だ。