平凡な大学生活を送るヒロイン。交差する、小遣い稼ぎと副業から始まる"悲劇"。そして友人の"ひみつ"。これは、ヒロインの大学時代を綴った切ない物語…
「結桜(ゆいあ)、ここに座りなさい。」
冬の匂いのする、
まだ日差しが温かな縁側に座りながら、
姪っ子の結桜に手招きをした。
「今から言うことを、よく聞いてほしいの。」
これから話すことは、
現在(いま)だから話せること。
"時効"とは違う、もう少し複雑なお話。
私がまだ学生だった頃。
遠いけれど、まだ色褪せていない記憶たち。
そう、いまからその頃のことについて、
少しだけ耳を傾けてほしいの _