もう、こんな世界うんざり――幼い頃に母を亡くし、全ての後ろ盾を失ったフィオラ姫は、王宮の隅で孤独に耐えていた。親の愛を与えてくれない父王、無関心な継母や異母兄弟、家臣たち。「結婚すれば、この灰色の日々から抜け出せるかもしれない」、年頃になって縁談が持ち上がると姫は淡い期待を抱くが、これはすぐに掻…もっと見る
――私は、私のことを愛してくれないこの世界が嫌い。