父の言いつけで出席したお見合いに来たのは、若くて優秀な、恐ろしいほど美しい御曹司。きっと私なんて眼中にない。そう思っていたのに、気付けば彼は私の夫として隣に立ち――蕩けるほど甘く優しく、私を愛してくれている。ともすれば、息苦しいほどに。




ある日突然、冷たく美しい麗人が、

私の「夫」となって現れた。


どうして彼が私を選んだのか、私に知る術はない。

けれどこれは愛の無い政略結婚――そのはずなのに。




「百合子さん、触れてもいい……?」


「俺と居る時に、別の奴のことなんか考えないで」




優しく甘く――時に激しく。


彼は私の予想を裏切って、暖かく幸せな日々を与えてくれている。


時々、怖くなるほどに。