僕達は雪が沢山降る町で育った。
『昴、見て』
長い睫毛に雪が乗っていた。
瞼を閉じて僕に見せてくれたけど、君の体温で直ぐ溶けた。
『昴?』
「見てるよ。綺麗」
引き寄せられるみたいに君の首の後ろに手を添えて
唇を掬うようにキスをした。
「また何処かで会えると良いね」
銀河みたいにキラキラしていた君の濡れた睫毛と、雪景色を
僕は今でも思い出すよ。