「明日天気になーれっ」
まるで、呪いの呪文。
明日なんて、来ないのに。
「雨って、憂鬱だよな」
僕は、雨が普通だと思っていた。
雨の日々が、当たり前のように続く。
晴れた世界など、どこにもない。
「しけた顔すんなって。な? 一緒に天気を見つけようじゃねえか」
どうして君は、そんな風に笑っていられるのだろう。
この、ひどく残酷な世界で君の笑顔が、どんな花よりも綺麗に見えたのは……どうしてだろう。