椛本撫子

ハーモニカの優しい響き
廃部寸前のハーモニカ倶楽部。
それに思い悩みながらも、懸命に部活を続かせていこうと努力する主人公の頑なさに惹かれました。

主人公の璃逗や主要人物の奏、花音、春真、麻衣のそれぞれの思いが文章を通して非常に読み取りやすい作品でした。
そして、嫉妬などの劣情に不快感を感じるどころか、ストレートな表現に、逆に爽快感を感じました。

ハーモニカという、恐らく誰もが一度は手にしたことのある楽器が、題材として取り上げられており、昔自分が使っていたハーモニカに対する懐かしさを感じさせてくれました。
そして、作品内で描かれているハーモニカはどれも優しい響きを持っていたように思います。

作品タイトル、節のタイトルに音楽用語が使われており、その綺麗な響きに引きつられるものがありました。


廃部状態から始まったため、最初はどうなるのかと内心ひやひやさせられましたが、最後は温かく穏やかなハッピーエンドで幸福感を味わうことが出来ました。

この作品に出会えてよかったと思います。
素敵な作品をありがとうございました。