思いっきり歌いたい―――歌だけが武器の自由女と何でもできる俺様男のラブコメディー!
「待ってたんじゃねぇの?」
いつもより低い声が明らかに緊張している私に向かって落とされる。
そうだ。
私はこの時を待っていた。
ギターを持つ手に力を込めて、勢いよく立ち上がる。
「私、悔いが残らないようにやり切りたい」
「当たりまえ」
そういってニヤリと笑った凌は
「行くぞ」と言ってステージに向かって歩いて行く。
ステージへの階段は6段
あと5段
4段
3・・・
2・・・
1・・・