Tear Valentine~涙の味~

作者枸杞-Kuko-


少ししょっぱいチョコレート。



まだまだ外の空気は冷たくて、

吐く息は白く消えていく。



吐く息のようにいつか思い出も消えていくのかな?


頬を濡らして落ちた涙。

慌てて拭ってもどんどん溢れてきて。



「ふっ...ぅっ..すき..だいすきよっ...」



そう、小さくこぼした本音には、もちろん誰からの返答もなく。



最後のチョコを食べ終えた頃には、もう涙で前が見えなくなっていた。



本当は..大好きなあなたに渡すはずだったチョコレート....。