「とりあえず、落ち着こ?」
その言葉と共に、
細くて白い指があたしの頬に触れる。
見上げるとそこは無欠な世界。
絹のようにまっさらな肌が月明かりに照らされてる。
見下げる瞳は、例えるなら宝石。
キラキラと輝く瞳の間を滑るように鼻筋が通っている。
柔らかそうな唇は、魅惑なまでにピンクに染まっている。
綺麗な親指がそっとあたしの唇をなぞる。
煌めく視線に捕らわれたあたしの唇は、有無も言わずに震える。
そんなあたしを華麗に見つめて男は言う。
「良い子…ご褒美、あげないとな」
瞬間、あたしの顔はコイツの影で覆われた。