完全無欠完璧男

作者1




「とりあえず、落ち着こ?」



その言葉と共に、


細くて白い指があたしの頬に触れる。



見上げるとそこは無欠な世界。



絹のようにまっさらな肌が月明かりに照らされてる。


見下げる瞳は、例えるなら宝石。


キラキラと輝く瞳の間を滑るように鼻筋が通っている。


柔らかそうな唇は、魅惑なまでにピンクに染まっている。



綺麗な親指がそっとあたしの唇をなぞる。


煌めく視線に捕らわれたあたしの唇は、有無も言わずに震える。



そんなあたしを華麗に見つめて男は言う。




「良い子…ご褒美、あげないとな」



瞬間、あたしの顔はコイツの影で覆われた。