クラスター爆弾

アクションジャンルの応用参考書
この作品…というより、この作者の作品全般は、かなり読者を選ぶ物が多い。
例えるなら早慶入試対応の参考書。
重厚且つ繊細な描写と登場人物、銃器の説明は、携帯小説の中にあって異端な存在。しかし、その実力と存在感は圧倒的で、読み手は忽ちその世界へと引き込まれてしまう。
何故、彼女は戦うのか。何故、彼女は狙われるのか。それらは全て、この47ページに余すとこなく凝縮されている。
失礼を承知でケチを付けるなら、銃の描写と解説が有識者顔負けの緻密さを誇るが故に、此処で読者が選別されてしまう事だろうか。
しかしながら、その先にあるのは冷徹で、それでいて美しい女達が織り成す、ハードボイルドアクション。
敢えて聞きたい。この作品を認めずして、どれほどの作品がアクションジャンルに分類され得るのだろうか。
アクションジャンルのみならず、他ジャンルの携帯小説作家にも必見の参考書である。