心臓に、甘い牙。

作者詩織

美しい美貌を持つ少女を手に入れるのは、気高き獅子か、美しき龍か、計算高き鷲か、誇り高き虎か、一途な狼か。みんなから恐れられる美しい獣たちは私にだけそっと微笑む。











を籠の中から連れ出してくれるのは







「お前が俺に惚れてなくたって、俺はお前を逃さない。お前の運命はあの時から決まってんだ」



気高く強引な獅子か、







「お前は何も心配しなくていい。安心しろ、惚れた女は命に代えても守る」



美しき無口なか、







「お前のためならなんでもするぜ?例えそれがどんなにーー…汚ぇことでもな」



計算高き自由なか、







「あの時断らなかったら、本当はアイツの役目は俺だったのにって……今更後悔してる」



誇り高く孤独なか、







「貴方のためなら、どうなっても構わない。好きに使え。俺は全てを捧げると、誓ったはずだ」



忠誠を誓う一途なか。











美しい獣たち。




みんなから恐れられている彼らは


にだけ、そっと微笑む。







獣たちよ


準備はいいか。




銃を持て


剣を抜け


そして牙を剥け。










つけ合いがら、を知