世界、という名のゲーム

作者神川史夜

彼も彼女も学校の先生も神さえも知らなかった。
今自分が生きている世界がすべてゲームだったなんて、誰一人として知らなかった。
知っているのは、あなたただ一人。

君たちはゲームをしたことがあるだろうか?

例えば、スーパーマリオをやったことがあるだろうか?

彼はプレイヤーが操作して例え死んでもまた生き返る。

FPSなんかでもそうだ。

敵に銃で撃たれて死んで、それでも何秒後かにはすぐに戦場へ向かっていく。

死んでも生き返る。それがゲームの世界だ。

今、君たちが生きている世界は死んだら生き返れるだろうか?

そんな質問の答えは分かりきっている。

もちろん、生き返れない。

けど、ゲームでもそれは同じだ。

キャラクターが生き返っているわけじゃない。

死んだ数だけ死体がある。

それがルール。生きとし生けるものすべてに課せられた破ることが出来ないルール。

だから、ゲームで死んでもその死んだ人の役割を、また別の人が受け継ぐ。

世界はゲームだ。

70億人プレイヤーがいて、毎日楽しく生活したり、友達を作ったり、ご飯を食べたり、戦争をしたり・・・・・。

だが、そんなゲームおもしろいだろうか?

毎日があたりまえでできている世界。

それは果たしておもしろい、といえるのだろうか?

これから話すのは、ある世界でとある神がそのゲームに飽きてゲームを壊し始めた世界の話。

そのなかで必死に抗う、人間たちの神話。