麻井深雪
止められない時代のうねり
セルラシアの第1王子だったシルフォードの暴走によって、まかれた戦争の火種。戦の準備を整える隣国のスフェルタ。
今回はその戦が始まるのを止める為にアリシアは自ら使者としてスフェルタに向かいます。
その道中で出会うアリシアの亡き婚約者にそっくりな男アウル。
彼の出現により、アリシアとクォールの関係に大きな変化が見られます。
もどかしいまでに鈍感男なクォールでしたが、そんな彼がアリシアを抱き寄せた瞬間には胸キュンでした。
ティミスの想い、メルトの想い。
恋愛感情にますます重点が置かれていて恋愛小説としても楽しめます。
一方、スフェルタでの交渉は失敗に終わってしまい、互いに異なる正義を掲げる以上、歩み寄れない現実を知ったアリシア。
スフェルタの兵士であるアウルとの別れ、名乗り合うシーンでは胸が打ち震えました。
身を切るような思いを抱え、戦友に別れを告げたアリシア達。
それと共に過去の想いの呪縛から解放されたアリシア。
止められない時代の流れの中で"アーシアの愛し子"が下す審判とは!?
最終部が気になって仕方ありません。