アトム
深くえぐられたままの恋心。
彼の『特別』は自分だけなんだと信じてた。
あの日、あの時までは――
◆◇◆
ユイに気持ちを重ねれば、悲しさ虚しさ切なさ痛み苦しみ諦めなど一つに絞りきれないくらいの感情が押し寄せてきます。
ぎゅっと、掴まれます。
彼の、気づかない知ろうとしないというのも残酷です!
幼なじみという関係にそれぞれ甘えている狡い部分があって。
失うものを考えたら動けないというのも人間らしく、このラストまで続くユイの気持ち、私はすごく好きです。
先に伴侶を得たであろう彼をどんな風に見ていたのか、ユイには相当な覚悟があったのではないかと思います。
だけれど成長し、もう二人だけの問題ではなくなってしまった『永遠の、片思い』。
それを思えばユイは、周りの人はこれからどうなるのだろうと考えてしまいます。
こんなに短いお話なのに、何度でも読み返したくなる魔力がつまっている作品です。オススメです。
素敵な作品をありがとうございました*