子犬×君= ―コイヌカケタキミワ― 【完】

作者秋桜

あの人は、あの人のもの…。苦しく切なく、でも強く優しい。そんな気持ちを知れたのは巡り巡って出会った人たちのおかげ。ある雨の日から、ため息ばかりの日常に光が差す。

「何やってんだよ!?」



初対面で、初めて言われた言葉。

そんな言葉を言われたのにね。


あんなに優しい人だとは思ってなかった。

恋に落ちるなんて思ってなかった。




中学校の、男子テニス部エース。

優しい彼を好きになったけど。


両想いなんて、夢また夢の話。




だって彼には、彼女がいるんだもん。

高校に行っても、その彼女が彼にまとわりついているんだ。



私の入っていく隙は…無い。